自分は鬱などの心の病とは無縁だろうと勝手に思い込んでいた。
でもそれは突然やってきた。
突然仕事が手につかなくなる
去年の夏頃、仕事が上手くいかない状況が続いていた。ステップアップの為と新しい分野に挑戦しては見たが、これがまるで上手くいかない。
ミスばかりして、なかなか仕事を自分のものにすることが出来ない。結果が出せない。ギャラも上がらない。
ある日、いつものように自宅の仕事部屋に入って仕事をはじめたら、頭が全然働かない事に自分でビックリした。それはまるでパソコンがメモリ不足で動作が遅くなったのと同じような感覚。
上手くいかないといっても、それでも日々やっている仕事。やるべき事も次に取り組む事もタスクに上がっているし、理解はしている。しかしこれが全然進まない。いつもならもっと早く片付くはずの仕事が全然終わらない。
次の仕事に取り組もうと思っても、何をしたらいいのか考えるのに激しく時間がかかる。
「あれ?次は何をしたらいいんだろう?」
「この作業を処理するには、何からはじめたらいいんだっけ?」
それまで分かっていたことが全然頭から出てこない。
その日は体調が悪いのだと自分に言い聞かせて、途中で休んだ。
しかしこれが翌日になっても何も変わらない。それどころか仕事以外にも影響が出始める。
家族の会話が頭に入らない。夜不安で眠れない。
私はクライアントに全てを話し、1ヶ月の休職期間をいただく事になった。自分がおかしいことはなにより自分が分かっていたので、心療内科に通った。話を聞いてもらい、薬を処方してもらい、出来る限りのんびり過ごすことを心がけた。
そんな時、クライアントのトップの会長から一冊の本が届いた。それがこの「あの世に聞いた、この世の仕組み」だった。
根本的な問題は自分の中にあった
どうしてこんな事になってしまったんだろう?私はまずこの原因を考えた。
今までも辛いこと、苦しいことはあったはず、奥さんが倒れた時、仕事がゼロになって廃業しかけた時。今よりもずっと大変だったし、胃が痛くなったりしたけど、自分は乗り切ってきたという自負がある。
今どうしてこんな程度のことで、へこたれてしまったんだろうか。
私は元々ネガティブな思考をする傾向にある。楽観的よりも悲観的になりやすいし、物事をまず失敗したらどうなるか、最悪のケースはどうなるかとか、マイナスの視点から物事を考える癖がある。
いろいろな本を読み、学び、成長し変化したような気になってはいたが、根本的な部分はまったく変わっていなかった。
その事をこの本を読んで気づいてしまった。
そう当時の私は、誰でもなく自分自身の言葉にとらわれ、身動きがとれなくなり、おかしなことになってしまったのだ。
あまりにも似ていてビックリした
著者と私の心理状態があまりにも似ていて、ビックリした。そして読んでいて少し泣きそうになった。
休みをもらい、薬を飲んで、症状は安定してきた。でも根本的な問題が解決したわけじゃない。本当の意味で変わらないと、復帰してもまたしばらくたつと同じことになるかもしれない。
私がしないといけないのは、私の中の思い癖を捨て去ることだ。何かを手に入れようともがくのではなく、自分の手にある不要なものを捨て去る事が先なのだ。
自分はマイナスの位置に立っているなんて思っちゃいけないんだ。幸せになるのに、理由も、方法も、努力も、条件も、本来はいらないんだ。生きている、ただそれだけで幸せを感じる事ができるんだ。
こうじゃないといけない。
こうあるべきだ。
そんなものはこの世にはありはしないんだよ。この本が私に教えてくれた。薬よりも私の心を軽くしてくれた。
この本は私の心を救ってくれたといっていい。
今こうして仕事に復帰し、毎日頑張れるのも、家族が幸せにすごせているのも、この本のおかげだし、この本を贈ってくれた会長のおかげだ。
心から感謝したい。
自分の内なる声に縛られて身動きがとれなくなっている人がいたら、是非読んでみてほしい。そして自分の中の思い癖を一つ、一つ、解きほぐし、捨て去っていってほしい。
幸せ、そして本当の自分とは、外側の世界のどこかではなく、自分の中にあるのだという事を感じてもらえたらと思う。